大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和45(あ)1964 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人向江璋悦、同日野久三郎、同安西義明、同水谷昭、同大輪威の上告趣意第

一点は、憲法三八条二項違反をいうが、記録に徴し、所論各供述調書の任意性を疑

うべき証跡は認められない旨の原審の判断は相当であるから、所論は前提を欠き、

同第二点は、憲法三七条二項、三八条一項の解釈の誤りをいうが、そのうち、公訴

事実につき証言を拒絶したAおよびBの第一審公判廷における供述を第一審判決が

証拠としたのは第一審が右証言拒絶の事実をもつて被告人の犯罪事実推認の用に供

したものであるとの前提に立ち、これを原審が是認したとして論難する点は、記録

に照らし、第一審は右のごとき推認をしたものでなく、各証言拒絶の部分を除くそ

の余の供述部分を採用し、これを挙示のその他の証拠と総合して被告人の犯罪事実

を認定したものであると認めた原審の判断は相当であるから、所論は前提を欠き、

以上いずれも適法な上告理由にあたらず、また、第一審が右両名の検察官に対する

所論供述調書を証拠としたのを原審が是認したことを論難する点は、証人が証言を

拒絶した場合に、その者がさきに検察官の面前でなした供述の録取書を証拠として

も憲法の所論条項に違反しないことは、当裁判所大法廷判例(昭和二六年(あ)第

二三五七号同二七年四月九日判決、刑集六巻四号五八四頁)およびその趣旨により

明らかであるから、この点の所論は理由がなく、同第三点は、事実誤認、単なる法

令違反の主張であつて、上告適法の理由とならない。

よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す

る。

昭和四六年三月四日

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 岩 田 誠

裁判官 藤 林 益 三

裁判官 下 田 武 三

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